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 [信じますか?]

成仏出来ないから彷徨うのだろうか・・


そこで事故があったのも知っていた。


その事故を見ていた自分がいた。


それは小学校の頃だった。


私の住んでいる街には大きな河が流れていた。


街中を流れる川は、最後にはその大きな河に流れ込んでいた。


その大きな河に流れ込む手前の川で、遊んでいた子供達がいた。


大きな河に合流させるには、小さな川を大きな河の手前で、下に流れ込ませるようだった。



下の図を見て頂こう


キャプチャ.PNG

小さな川で数人の子供たちが遊んでいた。


その内の一人が誤って、A地点に流されてしまったのだ・・


その救出現場を見ていた・・


結果としてその子は帰らぬ人となった。


その事故現場をとおって、私は小学校に通っていた。


ある日、気が付いたことがあった。


下校時に、事故のあった小さな川を見つめている、同い年くらいの子がいた。


友達と一緒の時は気が付かない時もあった。


でも気が付けば、その子が川を見つめていた記憶がある。


そして学区が分かれたのを機に、その事故現場を通学で通る事は無くなった。


それと同じくして、その川を見つめる子供の事も忘れていた。


そして社会人になった・・・


車を運転していて、その事故現場の通りで信号待ちをしていた。


「そう言えば、ここで事故があったな。」


そんなことを思い出し、その現場の川に視線を向けた。


「まだいたんだ・・・」


正直な感想だった。


少年はその時のまま、川を見つめていた。


十数年を過ぎても、その少年は川を見続けていたのだろう。


その当時は分からなかった・・


でも、大人になった自分にはわかった。


何かしてやれるわけでもなかった。


ただ、信号が変わるまで手を合わせた・・・


そして、去年。


再びその場所を訪れる機会があった。


川は子供たちが遊べる、親水公園になっていた。


木々が植えられベンチがあり、小さなせせらぎのような人口の川が作られていた。


あんな事故があったなんて、もう誰も知らないのかも知れない。


あの少年の姿も見えなかった・・


成仏したのだろうか・・・


合掌






















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